Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒 言
全色盲でもつとも良く知られているのは先天性で桿体一色覚と呼ばれるものであるが,近年,類似した臨床像を呈する後天性のものの存在が報告されている。一般に進行性錐体ジストロフィーなる名称が用いられているこの病型は,視力障害,色覚障害,昼盲は共通するものの,眼底所見とりわけ螢光眼底写真で黄斑部に異常を有する点が異なる1〜3)。最近,大庭は眼底所見を伴わない進行性錐体ジストロフィー(unusual form)を詳細に報告し,新しい臨床疾患である可能性を提言した4〜6)。実際このような症例は存在すると老えられるが7),その場合,発症の時期,進行性の有無等の既往歴が明確でないと鑑別の困難さが当然ながら予測される。
今回,著者はこの両者に中枢性の後天性全色盲を加え,従来の報告ではみられない脳波の検討を,主としてパワースペクトルの面から行なつた。その結果,これら眼底所見を伴わない全色盲の後頭部脳波は特徴ある所見を呈し,診断的価値が高いものに思えたのでここに報告する。
Autoregressive power spectra of occipital EEGs were observed in patients with total color blind-ness without eyeground changes.
1) EEG of congenital total color blindness (rod monochromat) was of low voltage and showed in distinct alpha activity with less continuity. Its power spectrum displayed a very low and broad peak at about 9Hz (Fig. 6).
2) In a patient with progressive cone dystro-phy (unusual form), EEG pattern of normal dominant alpha wave was verified by a sharp and high peak at 10Hz in its power spectrum (Fig. 7).
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.