Clinical Conference
眼窩下縁の腫瘤から診断されたWegener肉芽腫の症例
安間 哲史
1
1名古屋大学医学部眼科学教室
pp.1183-1188
発行日 1977年9月15日
Published Date 1977/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207499
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
安藤(講師) それではケース・カンファレンスを始めます。まず最初に症例の概要を安間君から話して下さい。
安間(大学院) 患者は59歳の男性。1976年4月28日,diplopiaおよび,右眼窩下縁内側に固いtumorがふれることで受診しました。また,以前より右の内眼角部の圧痛,結膜の充血を訴えています。初診時,現在ドイツへ出張,不在ですが粟屋先生(助教授)の診察で,右下内転に制限があり右眼窩腫瘍の診断をうけました。初診時,視野は正常,両眼とも結膜が怒張,充血していましたが角膜,中間透光体,眼底に異常なく,眼球突出はほとんど認められませんでしたが,右眼窩の下縁に固い腫瘤を触れました(図1)。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.