Japanese
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連載 眼科図譜・117
トキソプラズマ性網膜炎の種々相
Congenital and Acquired Toxoplasmic Retinitis
生井 浩
1
,
鬼木 信乃夫
1
Hiroshi Ikui
1
,
Shinobu Oniki
1
1九州大学医学部眼科
1Department of Ophthalmology, Kyushu University
pp.1389-1390
発行日 1966年11月15日
Published Date 1966/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203538
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〔解説〕
先天性トキソプラズマ性網膜炎の瘢痕病巣(第1図)
患者は12歳の少年.出生時未熟児(2400gm)で,母の妊娠中家庭には犬及び鶏が飼育されていた.右眼の網膜黄斑部に2×1.5乳頭径大の境界鮮明な瘢痕性病巣がある.病巣内,特に辺縁部に黒色の色素発生があり,それに白色の増殖組織が混在して居り,病巣の中央部では脈絡膜の血管が透見される.この主病巣の直外方に娘病巣がある.視力は0.4(矯正不能).
患者のトキソプラズミン(以下単にトと略)皮内反応は中等度陽性(13×17mm),トキソプラズマ赤血球凝集反応(以下赤血球凝集反応と略)は強陽性(1:32,000),血清梅毒反応陰性,結核カオリン反応陰性,頭部レ線像には異常なし.母親のト皮内反応弱陽性(10×10mm),赤血球凝集反応強陽性(1;16,000).
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