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緒言
眼手術の大部分は局麻に依り充分な麻酔を得られるのみならず,斜視等に於ては手術成果を直ちに確め得る上で,局麻が多くの長所を有する。しかし小児で手術を恐れ,反抗し泣き暴れるものでは,局麻で手術することは不可能なことが多い。この為小児手術は全麻に依らねばならない。この眼科領域に於ける小児全身麻酔に就ては,既に今泉教授1)がその簡易な方法として公表している様に,従来当眼科教室に於ては,主としてバルビトレート剤,フェノチアジン系薬物等のカクテルによる静脈麻酔法が用いられて来た。森等2)もラボナール単独使用法による全麻及び強化麻酔併用ラボナール麻酔を小児27名に就て施行し,良好な結果を得たことを報告している。しかし,これ等の薬物を用いる際は調節性がなく,手術に必要な麻酔状態を持続せしめることが可成り困難である。且つ又,薬物に対する個体差が著しいために効果は一定せず,充分な麻酔を得られなかつたり,時に薬剤の抑制効果が現われて危険な状態に陥る心配もあり,眼手術の麻酔としては疑問の点が多い。従つて最近は小児眼手術に専ら気管内麻酔を適応しているが,極めて良好な結果を収めているので,その経験の一端を弦に報告し,諸家の参考に供せんとするものである。
The authors performed many kinds of intraocualr operations on 13 patients of infants and children aged 2 months to 9 years under intratracheal general narcosis.
The results were as follows :
1) Preoperational treatment and premedication were important to narcotize smoothly.
2) For the ophthalmic operations, the deepness of the narcosis was best at the 2nd plane of the 3rd stage.
3) the atropin used for premedication had no influence on the eye.
4) There were no accidents and no side-effects accompanying the narcosis.
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