特集
〔討論〕網膜剥離の治療法
岸本 正雄
1
,
倉知 与志
2
,
清水 新一
3
,
春田 長三郎
4
,
三井 幸彦
5
,
大塚 任
6
,
松尾 治亘
7
,
百々 次夫
8
,
大橋 孝平
9
1京都大学
2金沢大学
3岐阜医科大学
4大阪厚生年金病院
5徳島大学
6東京医科歯科大学
7東京医科大学
8広島大学
9慈恵医科大学
pp.745-749
発行日 1960年3月15日
Published Date 1960/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206922
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大橋 それでは,大体まとめますと,現在網膜剥離の治療法はいろいろ進歩してきた,しかし従来のジアテルミー法では効かない場合がある。ジアテルミー法の効かないような場合には,鞏膜短縮術をやる。しかし薬物療法もあつて,いろいろな安静薬物療法でも治ることがある。しかし通常は,第1のChoiceとしても,鞏膜短縮術を行なわなければならないような例を伺つたわけであります。また,MüllerとかLindnerが始めた鞏膜短縮術は,全層を切る全層短縮術と,Lamellar Resectionといいまして,表層切除術との2つあるわけですが,だんだんに,危険性の少ない表層短縮術のほうが多く使われるようになつた。また,やるとすれば,傾向として,輩膜を十分に凸隆法といいますか,逆にいえば陥入法として輩膜を陥凹させるためにはSchepensが3年前から始めた鞏膜のBacklingのほうがよけい効くようだ。これはまだ発表の年限が浅いから今後の問題でしようが,そういう方面に,先程人工軟骨を埋没する方法も御説明になつたようであります。
結局するところ,今までのお話ですと,先ず裂孔があつたならば,とにかく裂孔閉鎖を第1条件にするのだ。それを目安としてやれば鞏膜短縮術を行う。その場合には,鞏膜を焼くよりも,三井教授のように脈絡膜を特によけいジアテルミーで焼かなければならない。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.