臨床實驗
網膜剥離の臨床知見補遺—第4篇 硝子体出血を前駆する自発網膜剥離に就て
百々 次夫
1
1倉敷中央病院眼科
pp.27-28
発行日 1951年1月15日
Published Date 1951/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200760
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緒言
自発網膜剥離の発症に際しては,飛蚊症,続いて視野の部分的欠損と視力減弱,更に小視症,変視症,光視症等が自覚され,多少の硝子体溷濁はあるにしても,常によく網膜所見を見極め得るのが通例である.処が,激しい飛蚊症を伴う視朦の突発が訴えられて,瞳孔の徹照が相当に惡く眼底も充分に檢し難い程の,強い硝子体出血が診られ,後日に至つて初めて自発剥離の存在を認めるとか,乃至は発症するのを観る樣な症例に時として遭遇する.即ち自発剥離に硝子体の大出血が前駆する異常の経過を示す場合である.これに就てはVogtの外に報告がないから,自驗した2症例を述べて,網膜剥離の診療上の知見を補い度いと思う.
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