綜説
国際眼科学会物語(その1)
桐沢 長徳
1
1東北大学
pp.1481-1484
発行日 1959年12月15日
Published Date 1959/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206783
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昨年のブラツセルに於ける第18回国際眼科学会には日本から10数人の人々が出席し,その会の模様については既に何回も本誌に掲載されて読者各位も大体の擬子はお分りになつたことと思う。その後,日本眼科学会理事長の植村教授が国際眼科学協会Intefnational Council of Ophthalmo-logyの理事に推選されて,今春パリーに於ける同理事会に出席して来られたことはこれも亦本誌に掲載された如くである。従つて今後は日本も国際眼科交流に於ける重要なメンバーとしてその責を担うと共に公的にも眼科学の国際的レベルの上昇に尽すべき義務があることになつたわけである。戦後の国際的孤立から脱して,国際協力に努力することは眼科学の領域に於ても今後愈々必要になることは言うまでもない。この意味で,この際,「国際眼科学会」というものの成立及び歴史の大体を顧ることも決して無意味ではない。幸いに昨年の国際眼科学会には筆者が日本代表として選ばれて参加する光栄を担つたが,その際ブラッセルに於てDuke-Elder教授著のA Century ofInternational Ophthalmology (1857—1957)という著書を入手したので,それに基いて表題の如き内容を述べてみることとする。
国際眼科学会は現在4年毎に開催されることは周知の如くであるが,昨年の学会は奇しくも本学会が始めて開かれてから満100年に当つたわけである。
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