私の経験 国際眼科学会への旅・3
国際眼科学会出席の記
桐沢 長徳
1
1東北大学眼科
pp.87-91
発行日 1959年1月15日
Published Date 1959/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206545
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第18回国際眼科学会は周知の如く,昭和32年9月8日から12日まで5日間,ベルギーのブラツセルで行われたが,筆者はたまたま日本眼科学会評議員会で日本代表として選ばれてこの学会に出席する機会を得たので,下記にその大体の様子を略記して責任を果したいと思う。
まず学会の前日(9月7日),総会場のPalais desBeaux-Artsに行き参加の記帳をし,大会プログラム,記名バツジ,講演抄録その他の書類のはいつたビニールの袋(総会用特製)を渡された。なお,会費1350ベルギーフラン(日本円で約9720円)も同時に払込んだ。運よく会場の附近で会長Coppez教授にも会い,総秘書のFrancois教授とも明日の開会式の挨拶の件で相談をすることができた。それは,筆者が日本代表のみならず,アジア代表として開会式に祝辞を述べるように,と前以つて総会專務から通知があつた為で,筆者は最初日本語で述べるつもりで居つたが,通訳の時間がないことと,アジア全体としてならば英語がよかろうとのことで,英語ですることに決した。なおアジア諸国からの参加者は約15国,45人に達した。事務所には各国々旗が壁に記され,その下に参加人員が記してあるが,日本の国旗としては旧軍艦旗が用いてあつたので早速訂正を申込み,日章旗に代えて貰うという一幕もあつた。
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