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緒言
古来水晶体小帯の構造に就いては,多数の研究報告あるにも拘らず,古くから線維と言い,或いは膜と言い,繊細で毀れ易い性質のためか,未だ結論を得られていない。水晶体小帯は,主に水晶体と毛様体に張られた線維様物質にして,水晶体をその位置に固定し,以て眼の調節機能に関与している。本小帯は,1745年Zinn氏により,硝子体の一物質として発表されて以来,その走行及び其起始部竝に附着部等に関して,或は肉眼的に,或は組織学的に,種々なる面より観察研究され,多数の業績報告がある。然しAeby,Berger,Ulrich等が,本小帯は一種の膜様構造を有し,彼の所謂プチー氏腔の存在を認めたのに対し,Gerlich,Czermak,Salzman等は之を否定し,本小帯は線維より構成せられるものであると発表している。我国に於いても,今西,下山,倉員,深町等の知見報告あるも,現在では本小帯が膜様構造であると云うものはなく,皆線維構造説を認めているのが一致せる見解である。又本小帯は微細な線維が多数集つて一つの線維束を為し,之が相集つて小帯を構成すると云われ,Salzmanは本小帯の線維の太いものは直径0.035粍あると報告している。その後も原線維の研究は,Lauberによる顕微鏡的研究,Schultzの化学的研究,次いでPauによる位相差顕微鏡による研究,Bai-rotiの暗視野検査と相次いで行われているが,確定を見るには至つていない。
Eye ball of rabbits, humans and oxen were used. Some of the Material and method : zonula ziliaris were fixed with osrnic acid and some were used fresh. These materials were made into emmulusion for 20—30 minutes, and studied with electron microscope after being washed with water.
Results : The width of fibers was 33—660 mμ in rabbit eyes, 212 mμ in human eyes and 91-218 mg in oxen eyes. In rbbits, the fibers of zonula ciliaris were connected in a mem-branous form.
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