特集 外来で役立つ知識:頭頸部・体幹・四肢の疾患
舌小帯短縮症,上唇小帯短縮症
伊藤 泰雄
1
Yasuo Ito
1
1新百合ヶ丘総合病院小児科(舌小帯外来)
pp.16-19
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000004
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はじめに
舌は,舌のなかだけに存在する4つの内舌筋と舌と骨をつなぐ4つの外舌筋からなる運動器で,それぞれの筋肉が固有の動きをして哺乳,摂食,発音,呼吸に関わっている1)。しかし外からは容易にみえないために,舌の動きが舌小帯によって制限されていてもあまり関心が払われていないのが実情である。2001年に日本小児科学会が「舌小帯と哺乳は関係がない。手術を必要とする舌小帯はまれである」と報告2)して以来,わが国では舌小帯切開はほとんど行われなくなった。
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