特集 子どものコモンな微徴候・微症状
口・歯
10.上唇小帯や舌小帯が短い
小方 清和
1
1東京都立小児総合医療センター小児歯科
キーワード:
上唇小帯付着位置異常
,
正中離開
,
舌小帯短縮症
,
発音障害
Keyword:
上唇小帯付着位置異常
,
正中離開
,
舌小帯短縮症
,
発音障害
pp.1035-1040
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001872
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口腔内の小帯には,上唇小帯,下唇小帯,舌小帯,頬小帯があり,小児患者において,上唇小帯と舌小帯は病的かどうか悩むことが多い小帯である.上唇小帯や舌小帯が短い場合でも,成長発達に伴い変化する可能性が高い部位であり,哺乳障害や摂食障害がなければ緊急度は低く,経過観察でよいことが多い.重要なことは,患者・家族に不安を与えないための説明のポイントを押さえることである.何かしらの臨床症状が生じている場合,外科手術が選択されることがあるものの,小児に対する外科手術は,患児の協力が得られにくく,ハードルが高い.外科手術への協力が得られるようになるまで経過観察するという説明では家族の納得は得られにくいだけでなく,早期の外科手術が必要であるケースもあり,紹介するタイミングが難しい.まずはそれぞれの疾患の病態,評価を十分に理解し,そのうえで外科手術1)が適応であるがどうかを評価できれば,手術が可能である病院へ紹介することが可能となる.
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