日本トラホーム予防協会々誌
Trachoma Pannusの角膜独立伝染説に対する疑義
金田 利平
1
1札幌天使病院眼科
pp.51-52
発行日 1958年7月15日
Published Date 1958/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206393
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私はTr.病原体として一定のものを認める事が出来ぬのでTr.病原体が角膜に直接感染してPannusが発生するという説即ちTr.Pannusの独立伝染説は認める事は出来ない。結膜Tr.の併発症,合併症であると確信する。即ち連続伝播説を支持する。その根拠は次の様である。
1.もしTr.病原体というものがあつてその病原体が角膜に感染してTr.Pannusが発生するものならば結膜は全く正常で角膜だけにTr.pannusが発生するという場合がなければならないが,この様な症例の経験は私は全くないし文献上にも生後一度も結膜炎に罹患した事がなく結膜が全く正常で角膜にのみTr.Pannusが認められたという症例が全くない事。
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