特集 トラコーマ
報告
トラコーマ研究班報告
桐沢 長徳
1
1東北大眼科
pp.1511-1514
発行日 1957年12月20日
Published Date 1957/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206199
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文部省科学研究費による総合研究「トラコーマ研究班」は昭和31年4月に結成され,現在に及んでいるが,その概略を報告し,昨年度(31年度)の研究成果を略述することとする。
本班はさきに故日本医大教授中村康氏が世話人となつて作られた非公式のトラコーマ研究班を前身として発足したもので,正式には昭和31年6月に文部省科学研究費の配分が決定するに及んで成立したのである。研究班としては最初は当時の伝研所長,長谷川秀治氏が予定されていたが,同氏の辞退により中村康氏が当ることになり,第1回研究協議会は6月2日,東京に於て開催された。本研究班の当初の目的としては日本に於けるトラコーマを綜合的に研究することであるが,文部省の要望により,特に必要な問題にフオーカスを絞ることとなり,差当りトラコーマの新しい診断基準を「病原体の探索」,「血清学的諸反応」,「混合感染を中心とした細菌学的研究」,「細隙燈顕微鏡所見」,「病理組織学」,「治療学」,「疫学」等の諸方面から綜合的に研究し,全国の基礎ならびに臨床諸学者中から特にトラコーマに研究熱意を有するものを選んで共同研究を行い,上記の目的を達成しようということになつた。その結果,研究班員及びテーマは次の如き構成に決した。
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