綜説
トラコーマの診断基準について
桐沢 長徳
1
1東北大学
pp.1071-1077
発行日 1957年8月15日
Published Date 1957/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206111
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トラコーマ診断基準に関しては多数の案があり,周知の如く先年WHOからも発表されたが(臨眼9巻5号,世界保健機構技術報告,日本公衆衛生雑誌,2巻9号),演者が昨年の当講習会で述べた如く,その中には多少妥当を欠き又具体的記載の不足なものもあるように思われるが,他方わが国に於いても多数の学者が診断基準について論じて居る現状である。然るにたまたま,昨年度より文部省綜合研究班として「トラコーマ研究班」が結成され,故中村康教授に次いで演者が班長となるに及び,この問題を班として取りあげることとなり,昨年秋以来小委員の間で原案を作り,今春の学会の際,班員全部の賛成を得たので,班長の責任として茲に一応これを公表して各位の御批判を仰ぎたいと思う次第である。本基準案の作成に当つた委員は国友昇(日大),弓削経一(京府大),赤木五郎(岡大)青木平八(群大),桐沢長徳(東北大)の諸氏であり,青木教授がその委員長として努力された。
現在承認された委員会案は次の如くであるが,以下に各条項を解説的に述べることとする(多少の字句は今後訂正の余地がある。
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