眼科新知識
トノグラフイーに就いて
河本 正一
1
,
景山 万里子
1
S. Komoto
1
,
M. Kageyama
1
1東京警察病院眼科
1Dept. of Ophth. Tokyo Keisatsu Hospital.
pp.957-961
発行日 1957年6月15日
Published Date 1957/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206088
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緑内障の本態は,古来幾多の研究があるにも拘らず,未だ明らかにされていないので,その予防法は勿論の事,治療法も確立されていない。この為,緑内障の早期診断は非常に困難で,相当進行してから発見される者が大部分である事も,治療を困難にする原因となつている。眼球に種々の負荷を与えて,その機能を知り,早期診断に役立てようという多くの負荷試験が行われているが,特に傑出したものはなく,真に遺憾な事乍ら,早期の緑内障は殆んど発見され得ない現状である。
1950,1951年にGrantは電気眼圧計を用いて眼圧を連続的に測定し,これを描写したカーブから,房水の流出率と産生量を知り,眼圧生理乃至病理の研究に新しい分野を開き,緑内障の診断並びに治療に一大進歩と便宜を提供した。この方法がトノグラフイーと呼ばれるものである。
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