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緒言
網膜視機能の発現機転については古来解剖組織学・生理学・生化学等各方面よりの幾多の研究があるが未だその詳細については解明された状態とは云えない。吾教室に於てはこの数年来恩師故中村康教授御指導の下に教室を挙げて網膜構造と視機能発現につき視力・網膜電流・緑内障等の研究と平行して胎生学的研究を行つて来て多大の成果を納めつつある。就中胎生学的研究については故中村康教授は既に自ら眼科領域の発生学につき広範該博なる論文を表わされてその概要を明らかにされた。教室の研究課題として意図する範囲も又極めて広く殆ど眼科領域の全域にわたつているものでその完成の曉はこの方面の進歩に括目すべき貢献をなすものと期待される。
一方近時医学・生物学の分野に於て新に生体内の新事実を解明し長足の進歩をなしつつあるものの中に組織化学なる領域がある。即ち夫々自らの分野の中で著しい発展を遂げた生化学及び解剖組織学の間を連結する組織化学は組織或は細胞内に於ける一定化学物質を化学的処置法によりそれが組織内にあるがままの形で染め出しその所在と在り方を究明し更にはそれが細胞内エネルギー代謝と如何なる関係にあるかを解決して細胞内物質代謝の様相を把握しようとするのである。
Using the Periodic-Acid-Schiff staining, the author described the rise and fall of the pol-ysaccharides of the human fetal retina in the course of the development.
1) In the earlier stage of the development the fibres in the marginal zone and the ones in the Chievitz's transient non-nuclear layer, both of which- contain polysaccharides being stained with the method above mentioned, are considered to be chemically the same and suggest to be resembled to the so-called latticed fibres (Gitterfasern).
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