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緒言
先に私達は,白内障手術における2%塩酸プロカイン2mlの球後注射によるショック死を経験し報告した1)。以後私達はプロカインを使用する場合には,いかなる小手術に際しても全例について皮内テストを実施している。
最初に,今回報告する皮内テストの方法の根本的な点について述べておきたい。まず全例にプロカイン皮内テストを行なう。そして発赤の出方が普通でないと思われたものについてはプロカインを用いての手術を止め,他の局麻剤を使用する。したがつて,手術時にショックを生じた症例の皮内テストの状態から皮内テストを論じているのではなくて,実際に手術を行ない何等異常を生じなかつた560例の皮内テストの状態についてまとめ,この程度の皮内テストの結果のものは手術を行なつても大丈夫であつたという報告を行なおうとしているのである。今回ここに報告する方法は,学問的見地よりすれば多くの欠点があることは良く承知しているが,プロカインショックが厳に存在し,それに対する準備テストの必要性が認められているにもかかわらず「準備テストは信頼性に欠ける」,「診療が忙がし過ぎて全例にはとてもやつてはいられない」,「ショックは稀で起きた人は運が悪い。自分の所では今迄何ともなかつた」などの理由で完全に実施されているとは言い難い今日,私たちの報告も諸氏の参考の1部にはなると考えるのである。
A skin test was conducted in a consecutive series of 577 subjects to detect the hypersensi-tivity to procaine hydrochloride as a precaution to ocular surgery.
The test consisted of intracutaneous injection of 0.1 ml of 2% Omnicaine (procaine hydroch-lo ride) on the flexor side of forearm. As cont-rol, the same amount of 0.9% saline was in-jected on the same place of the opposite arm. The appearance and size of the erythema at the injected sites were recorded. Following are the chief findings :
1. Generally, procaine produced more reddish End larger erythema than physiological saline.
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