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緒言
内因性ブドウ膜炎の原因については,いまだに明らかにできない部分が多い。これは諸家が認めるように,眼病巣部から生検材料が容易に得られないこと,ブドウ膜が多くの全身病の影響をうけやすく,そのうえ,免疫学的修飾をこうむりやすい組織であること等が理由としてあげられている。したがつてブドウ膜炎の病因の大部分は,血清学的検査をはじめとする補助的診断法や,他の身体部位からの起因物質検出による間接的証明法にゆだねられている。このように確定診断が行なわれにくくても,せめてブドウ膜炎の病因と考えられる事象について,可能な限りの検索を行なえるようにしたいと考え,私どものブドウ膜外来では各方面に協力をお願いして,第1表にかかげた検査を昭和46年2月から行なつている。さらに可能なものには眼内液を採取し,起因物質の検索を行なつている。1972年12月までに,その総数が200例に達したので,その結果の要約をここに報告する。なお,今回は表中●印を付けたルチンの検索結果のうち病因に関するものを中心に述べる。
A retrospective survey was conducted on 200cases of endogenous uveitis who attended the uveitis clinic during 23-month period (from February 1971 through December 1972). Both sexes were equally involved with 106 males vs. 94 females. Behcet's disease comprised the lar-gest clinico-etiological entity (25.5%), followed by toxoplasmosis (18%), leptospirosis (6.5%),syphilis (4.5%), tuberculosis (3.5%), histoplas-mosis (2.5%), glaucomatocyclitis crisis (2.0%), sarcoidosis (2.0%) and Vogt-Koyanagi-Harada syndrome (1.0%). No presumptive etiological diagnosis could be established in 33% of the total instances.
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