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特集 網膜と視路の電気生理
ブドウ膜炎の臨床電気生理
Electrophysiological Study of Uveitis
渡辺 郁緒
1
Ikuo Watanabe
1
1名古屋大学医学部眼科学教室
1Department of Ophthalmology, Nagoya University School of Medicine
pp.29-36
発行日 1971年1月15日
Published Date 1971/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204429
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I.はじめに
ブドウ膜炎はわが国眼科医が日常診療に頻々と遭遇し,その治療の良否,治療開始時期等が失明にも連なる重要な疾患である。ブドウ膜炎の病因に関しては,現在なお不明な点を多々残しているが,病理的な面では,古来多くの報告により明確にされつつある。最近また螢光眼底撮影法の発達により,病巣の時間的経過をとらえることが可能となり,ブドウ膜炎の病態生理の解明,早期発見,および鑑別診断に重要な役割をなしていることは周知のごとくである。
ERGはその起源は現在のところ不明な点を残している。網膜疾患,特に変性症の鑑別診断に重要な役割をなしているが,ブドウ膜炎においては,さほど重要な診断手技とは考えられない。解剖学的には,網膜外層が脈絡膜より栄養保給を受けていることは明白であり,ブドウ膜の疾患でその変化が網膜に及ぶことも周知の事実である。実験ブドウ膜炎の電気生理的な研究も数多く報告されているが,今回は紙面の制限もあり臨床のブドウ膜炎についてのみ述べる。
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