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緒論
重症筋無力症に関する研究は,従来,電気生理学的,薬理学的,および病理組織学的方面において数多く行なわれてきた,それらは主として神経筋接合部におけるtransmissionの異常に注目されているものであるが,最近組織化学的研究の進歩とともに,本症において,神経原性および筋原性の病変が共存することが明らかになつてきた。著者らは1969年にMyasthenia gravisについて,その原因を自己免疫的疾患としての見地から考察を加えた実験例を発表した。一方本症の微細構造の変化については,Bickerstaff1),Woolf2),Zacks3)らの報告が骨格筋においてなされているが,いずれも神経筋接合部の変化についてのものであり,それらの所見について定説となつているものはない状態である。重症筋無力症患者の外眼筋の電顕的所見について崎元4),箕田5)6)の詳細な報告がはじめて本邦においてなされている。著者らもMyasthenia ocularis (OssermanI型)の患者について眼瞼挙筋を切除し得られた材料につき,電顕的観察を行なつた。なお明確にはMyasthenia ocularis (以後M.o.と略記す)といえない1眼のPtosisの患者について同様にして得られた材料につき,電顕的観察を行ない比較したので報告する。
An electron microscopic study was conducted on extraocular muscles obtained from 2 patients with myasthenia ocularis and 2 patients with idiopathic lid ptosis.
While practically normal findings were pre-sent in one case from the latter group (with idiopathic lid ptosis), a characteristic finding was found in all the other 3 cases : the Z line occasionally showed an irregular course in slightly atrophic muscle fibers and presented a variety of its disorganization. The mitochondria in the atrophic muscle fibers showed a decrease in their number and size.
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