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緒言
重症筋無力症には,臨床的な筋の易疲労性と休息による速やかな回復,抗コリンエステラーゼ剤の有効性,誘発筋電図の減衰現象などの特徴があり,これら臨床的,薬物的,電気生理学的な主要所見を見出すことにより診断が確かめられるものと考えられている。末梢神経を連続刺激することにより得られる筋の活動電位は,正常の場合には20サイクルまたはそれ以下の比較的低頻度の刺激に対しては著明な変化を示さず,各刺激に対してほぼ一定の反応を示すのであるが,重症筋無力症ではそのような低頻度刺激に対しても電位が漸次低下していつてついには無反応に至る現象が見られ,この電気生理学的現象が臨床的な易疲労性の本態と考えられている。一方,Lambertらは肺癌の患者においてこの重症筋無力症における現象とは全く逆に最初は低電位であつた誘発筋電図が刺激を重ねることにより漸次高くなつて行く現象を認め,肺癌に伴なうmyasthenic syndromeとして報告した。
Repetitive electrical stimulation tests were per-fomed on peripheral nerves of various patients with muscular weakness or fatiguability and evoked muscle action potentials were studied. Waning and waxing phenomenon of amplitudes of action potentials were recognized in 20 patients with car-cinoma in various organs, endocrine disorders, diabetes mellitus, blood diseases, or with muscular or neuromuscular diseases.
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