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連載 眼科図譜・167
ベーチェット病の家族例
Family Case of Behçet's Disease
青木 功喜
1
,
勝俣 寛
1
,
二神 種忠
2
,
佐竹 幸雄
3
Koki Aoki
1
,
Hiroshi Katsumata
1
,
Tanetada Futagami
2
,
Yukio Satake
3
1北海道大学医学部眼科学教室
2札幌厚生病院眼科
3苫小牧市立病院眼科
1Department of Ophthalmology, Hokkaido University School of Medicine
2Eye clinic, Sapporo Kosei Hospital
3Eye clinic, Tomakomai municipal general Hospital
pp.5-6
発行日 1972年1月15日
Published Date 1972/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204705
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〔解説〕
ベーチェット病の本態に挑むにはこの疾患に共通な因子を種々のアプローチで究明する方法と極めて稀な症例の詳細な検討により,正常対照群との間の差を導き,これより本態に近づこうとする方法が考えられる。前者については病理組織学的検索,免疫血清学的検討,電子顕微鏡的研究,臨床的問題の検索,疫学調査があり,後者については集団発生例の有無,家族内発生例,病原体分離の試み,臨床像と剖検例の対比等種々の可能性が残されており,その結果が少しずつ判明している。今回の報告は後者のunusual caseとして家族症例について述べる。
今迄の報告によると家族例は第1表の如く,同胞例が半数以上を占めており,親子例は少なく,夫婦例の報告は見出す事が出来ず,男女による差はない。遺伝的素因を考えさせる因子や感染による事実がなく,共通した体質というものが多く関与していると推定される。その臨床症例の症状では精神神経症状を示している例が多い事が注目されるところである
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