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I.緒言
VERは,主として網膜黄斑部に関連する視路の諸ニウロンの活動状態を反映する電気現象である。しかし,視野中心部における機能障害をより精細に検出するには,単に面積の大きな散光刺激を行なうだけでは不十分で,視標の大きさや形に種々の工夫がなされている。微小光刺激を用いるのも一つの方法であるが,この揚合,VERの早期波が全般に減弱し,波形にも変化をきたして,従来の成績との比較に困難を感じたり,適応例の範囲が減少する不便がある。
現在までに多くの研究者によつて検討されてきたVERには,要素電位はともかくとして,一応,それを構成する成分波が存在し,一定の時間関係を有することが知られている。その中で,固視あるいは注視などの中心部機能と最も密接な関連性を有するのはどの部分であろうか,という疑問を解明する目的で,われわれは,比較的大きな白色視標の中央に,小さな円形の遮光部分を作り,どのような効果が現われるかを観察した。結果は予期以上に興味深く,VERの最初の陰性波の先端部に,かなり選択的な振幅の縮小を認めた。そのようなVERを,現在,Center-Off-VERと仮称しているが,今までに得られた観察の結果を簡単にまとめて報告しておく。
Terminology of Center-Off-VER is tentatively used here for the evoked cortical response by illumination through a diffusion screen which has a small central shading disc, as shown in Fig. 1. In normal subjects, Wave-Ia of the VER is characteristically diminished in its amplitude when the central shading effect appears on the response (Fig. 2, 3) although following waves show little changes. A similar change in Wave-Ia is also seen in the ordinary VERs which are evoked by illumination of the eye having some kinds of lesions and revealing small cent-ral scotomas within 5°, as shown in Fig. 4.
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