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I.はじめに
近代医学は,一方においては,その専門分化がすすめられ,他方においては,関連各科との連繋,近接科学の交流による総合を行なう体系をとつている。このことは,本年行なわれた第17回日本医学総会において,分化と総合を中心的アイデアとして総会が構成されたことをみても明らかである。しかし,このような研究,診療の分化,総合は,従来,主として成人疾患を対象としていたが,最近,わが国でも小児専門病院の誕生を軌とし,小児疾患を対象とした臨床各科の専門分化と,その総合運用の体系が確立される機運となつてきた。従来の小児内科は,それぞれに専門分化し,小児外科も分化し,小児眼科,耳鼻科もそれぞれ独自の研究,診療分野を確立しようとしている。現代医学の挑むべき最大の障壁である先天異常に対する総合的研究の一環としての役割,小児失明,斜視および弱視の研究の進展は,実際の臨床面における早期発見,早期治療による失明児,弱視児の減少を企図するとともに,医学的治療不能の視覚欠陥乳幼児およびその両親に対する指導,相談,ハビリテーション,リハビリテーションの道を拓き,これを従来の弱視,盲教育に結びつけるまでの一貫した態勢の確立をめざすに至つた。視器の機能的,形態的発達の研究とあいまつて,発達期にみられる小児眼疾の特殊性の把握は,診断,治療の進歩に欠くことが出来ぬものである。
The present status and problems about pedi-atric ophthalmology are discussed, based on a lecture for reeducation of ophthalmologists in practice held on June 11, 1967 in Tokyo. For the objective evaluation of visual function in infants ERG and VER (visual evoked resp-onse) studies promise to be of value and may be performed under general anesthesia in indicated cases. As frequent morbid conditions in infants particular attention is to be paid to congenital nasolacrimal stenosis and ciliary entropium, as these conditions often necessitate early surgical intervention for their adequate correction.
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