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I.緒言
原発緑内障,特に単性緑内障の早期診断をする場合に用いられる検査法にはroutineの眼圧測定をはじめ眼圧日内変動,眼球圧迫試験,トノグラフィー,飲水試験,perilimbal suction cup法,暗室試験,定量視野検査等多くのものがあり,それぞれについての陽性率が多くの人々によつて検討され報告されている1)2)3)4)5)。しかしこれ等の諸検査法の本質的意義については,それぞれが緑内障のある種の性格をとらえているとしても,いまだ議論のあるところであつて緑内障の診断基準としてどの程度の評価を与えて良いものかという問題については不明確な点が多い3)。このような段階にあつて,検査法それぞれの意義を検討するために同一の集団を対象にして,いくつかの検査法を適用し,それぞれの成績の間にどのような関係があるかという点について検討することもなんらかの示唆を与えるものではなかろうかと考えられる。
飲水試験及びトノグラフィーは,これ迄も緑内障診断のための基準あるいは参考として有用なるものとされているが,多数のものを対象にして両者の相互関係を検討した報告は私の調べ得た範囲ではみあたらない。昨年,長南と著者は40歳から55歳の国鉄職員502名に飲水試験を併用せるスクリーニングを行い,要精密検査者に対し第2次検査の1つとしてトノグラフィーを施行し,その成績の一部を昨年度の第69回日本眼科学会総会に於て発表した14)。
A comparison was made between water pr-ovocative test and tonography conducted on persons selected by mass-screening. Out of 502 railway workers between 40 and 55 years of age, 110 subjects showed suspicious IOP val-ues after provocative test with water and were further analysed by tonography. 30 outof these 110 cases showed definitely patholo-gical value in water provocative test, 31 cases showed pathological findings by tonography (C values of less than 0.19 or P0/C values of more than 100) and further 8 cases show-ed abnormal values for both water provocat-ion and tonography.
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