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I.序論
眼底を立体視する事はそんなに難かしい事ではないが,多くの装置では,これが損われていて,かつ長い間の凝視に堪えられず,患者にとつては相当苦しいものである。その点眼底の立体写真は価値多く,又立体感も秀れていて,既にThorn—er4)の時代から注目されている。たしかに眼底写真は最近の眼底「カメラ」の進歩と「カラー・フイルム」の発達と相まつて,極めて長足の発展をとげたが,必ずしも眼で見る様に正確に撮影出来るものではなく,小さい反射とか,微細な隆起,又は色調のかすかな変化等はしばしば記録する事が不可能で,技術上のある越えがたい欠陥は当分克服出来ないと思われる。それにも拘らず,大きく拡大する事が出来,かつ長時間の凝視が可能な上に記録性は言う迄もなく優れていて,眼底の立体写真の所見を検討すると,検眼鏡で見た時には気付かなかつた重要性を示現してくれる事があり,又多くの医師の討議に附する事が可能である。
さて眼底の細隙灯検査はかかる時極めて良い方法ではあるが,多くの人々の討議は先ず不可能で,かつ狭い光学的切片で眼底を見る場合は屡々判定に苦しむ上に,実用的な記録は殆んど不可能である。又固定大検眼鏡はこれ等の点で最も優れているが,操作が難かしく,長時間の凝視は無理で,多くの医師の討議という点では問題がある。
Stereoscopic fundus photography has long been known and has recently become more effective and more informative. Stereoscopicfundus photographs are only slightly more difficult to make than single, two dimensional pictures, but can quite easily attained, if a systemic procedure is taken and some conside-rations of causes of faults in technique are taken.
The authors used only a cornea-induced parallax method (Dr. Allen) and the photo-graphs were taken on some colour films of daylight type.
The value of steresocopic pictures of the fundus in ophthalmic diagnosis is self-evident and have a bright future.
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