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従来より極めて多くの近視治療法が効果があるとして報告されてきたが,我々がこのような治療法のいくつかを実際に試みても効果を認めた経験はない。近視の治療についてこれを否定的に考える人1)もあるが,このような報告は寧ろ例外的であつて現在なお多くの方法が考案され治療の成果があがつたとして発表され続けている現状である。治療法はそれが複雑な方法なら兎に角,薬物の点眼、内服,注射或は簡単な装置の器械による単純なものであるから,治療を行なう人によつて効果に差のあるようなものであつてはならない。そこで多くの報告が治療の対象としている若年者の軽度近視にアトロピンを点眼し,その屈折状態の変動を検査することによりこの間の事情を検討してみた。
実験対象は初めて眼鏡装用を希望する児童・生徒50名100眼で,年令は7歳から17歳に亘つている。これらの患者は何れもアトロピン点眼後の屈折度が−3.5D以下の軽度近視で,眼底に悪性近視を思わせる変化がなく,乱視の認められないものである。
The state of refraction was analysed before and after atropinization in 100 eyes of 50 school-age children with low grade myopia.
After atropinization the degree of myopia decreased by an average of 0.5D with conco-mitant improvement in uncorrected vision. The observed improvement in myopic state still persisted after disappearance of mydria-sis 2 weeks after cessation of atropine insti-llation. The myopic state and the uncorrected vision returned to the pretreatment level 2 months after cessation of atropine instillation.
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