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輻輳が調節と相俟つて視距,視深を決定するとして古くから種々研究され,一般に左様認められている。而して前後2点間の視深を知るには,両点に各別々に輻輳して得た視距の差を求める,或いは何れか1点の横非対応の程度による等考えられている。処が,今迄注意されていない回旋融像が視深認識に重大な意義ある事を見出したので茲に報告したい。
視物は1点でない限り,高さ,幅,深さに線或いは面を持ち,之等が遠近に応じて透視画様に傾きを示し,各眼網膜に相異なる傾斜を持つて結像するから,単に輻輳のみでは像の大部分は対応部にあり得ない筈である,然るに普通複視は現われない。特殊の場合現われる事があつても,視物或いは見る位置を移動すると容易に単一視出来る。元々,回旋融像力は相当大きく,こんな時,常に融像し,単一視と同時に視方向に対する視物の傾斜が感覚される事は既に証明報告した処である。此時の傾斜は遠近に由来するから,之を見分ける為めの回旋が視深,視距の認識に極めて重要な訳である。次に述べる実験は此回旋融像の作用を検討するに足るであろう。
A thin rod is passed through the center of two small balls. When the rod is brought near to one's visual direction, there is a double vision of one of the balls and the distance between the balls cannot be ascertained. If the rod is tilted, diplopia is immediately lost and the distance between the balls can be discerned by the simultaneous single vis-ion of the two balls. Stereoscopic diagrams were prepared to show how each eye visual-izes the balls and rod under these conditio-ns.
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