Japanese
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特集 眼科臨床における診断・治療上の困難例
脳下垂体腫瘍を思わせた眼症状と多彩な神経症状を呈した第3脳室腫瘍の1例
A case of third ventricle tumor with ccular and multiple psychoneurological manifestations simulating pituitary lesion
許斐 郁子
1
,
生井 浩
1
Ikuko Konomi
1
,
Hiroshi Ikui
1
1九州大学眼科教室
1Department of Ophthalmology, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.1389-1394
発行日 1964年12月15日
Published Date 1964/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203087
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脳腫瘍は時に奇異な眼症状や神経症状を呈してその存在を見落させ,或いはその局在を誤らせることがある。私共は鬱血乳頭や各種の視野障害,或いは種々の眼筋麻痺症状を呈した例に遭遇した場合,常に注意して脳腫瘍の存在を見落さないように注意しているのであるが,ここに記載する例は始め脳下垂体腫瘍を疑わせる症状を呈し,最後に高度の精神障害を発して,私共を始めとして神経科医,脳外科医及び精神科医のすべての診断を誤らせた第3脳室脳瘍の1例である。
いろいろな脳腫瘍の諸症例が,その初期から末期に亘り発現した各種の眼症状を集めてみると,甚だ興味深いものがあるが,何れ多くの症例に就いての私共の経験を取りまとめて発表したいと考えている。
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