銀海余滴
院長さんの海外旅行記
桐沢 長徳
pp.627
発行日 1963年5月15日
Published Date 1963/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202722
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先日,林雄造先生から,三原七郎博士の「外遊の生態」という本のお勧めを受けて車中で一読したところ,誠に面白く,一気に読了した。同博士と私とは一面識もなく筆者略歴欄を見てはじめて外科のお医者さんであり,宮崎の社会保険病院長をしておられることを知つた。
正直のところ,知らぬ方の書かれた本であるから,あまり期待もしていなかつたが,読むほどに,その軽妙な筆致,公正な判断,鋭どい観察眼にグングン引つけられ自分が外遊した時の皮相な外遊談などと比べて,人によつてこうも表現力に差のあるものかと我ながら恥かしくもなり,他方では心からの敬意と親近感を覚えたことである。
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