列島情報
海外旅行と食中毒
日置 敦巳
1
1岐阜県健康福祉部
pp.96
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102672
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海外での4日間の研修旅行から戻ったグループ84人中34人が,帰国2日後より発熱,腹痛,下痢の症状を呈した.保健所での検便ではカンピロバクター・ジェジュニが検出された.旅行中の食事についての調査によると,3回の夕食で焼肉系の料理を食べていたが,メンバーへの聞き取りだけでは原因施設・食品の特定は不可能であった.
海外旅行での食中毒発生状況については,厚生労働省の食中毒統計でその一端を知ることができる.2000年から2011年までの12年間の食中毒事件一覧によると,「発生場所」が「国外」と報告された事例は152件3,210人で,この他に「国内外不明」が140件367人となっている.国外での発生と報告された152件での病因物質の割合は,「その他の病原大腸菌(22%)」「腸炎ビブリオ(20%)」「カンピロバクター・ジェジュニ/コリ(17%)」「サルモネラ属菌(13%)」の順であった.
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