談話室
アメリカでのインターン生中活
渡辺 春樹
1
1東北大学眼科
pp.553
発行日 1963年4月15日
Published Date 1963/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202711
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この病院に住んでみますと,アメリカの医療が日本のそれの様に均一でなく,形式的に大きな二つの異なつたものから成り立っていることがよく分かります。裕福と云われている国の自由診療ですので,病歴をとつて予診をすればまず15ドル(日本円に換算すれば5,400円であるが,実際の生活上の価値からは1,500円に相当,つまり実際暮してみると1ドルが丁度100円の感じです)とられます。従て,院長先生の診察は推して知るべしという様に,すべて医治費が高いので,数として少なくない下層階級の人達のためには零囲気の全然違った官営の施療院があるわけです。施療院と云つてもCook CountyHospitalの様に3,200床,60病棟からなる巨大なもので,ここの年間外来及び入院総数は700,000人に及び,施療院はアメリカ医学の2本目の根幹という感じを与えます。大学教授や,大家がattending doctorとして週1度位難かしいケースの指導をするそうですが,全ケースに手を下すのはインターンを助手にしたレジデント(最高学年が科毎に異り,3年から5年)で,教授が最初から手を下す事など絶対にないそうで,医者側からみて徹底した実技修練機関になつています。
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