談話室
弱視児も育成医療の恩惠に
武田 忠雄
1
1宮域県公立刈田総合病院
pp.551-552
発行日 1963年4月15日
Published Date 1963/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202710
- 有料閲覧
- 文献概要
弱視の治療が進歩すると共に,各地でこの問題が大きくとりあげられつつあることは誠に喜ばしい。しかし,弱視の治療は,一般に長期間を要するので,学童にとつてはその間の学校の勉強時間をつぶすことと,治療に要する費用が最も問題となる。筆者は,この解決には弱視学級を作つて治療しながら勉強をさせることと,育成医療によつて費用を賄うことの二点が最も妥当と思われるので,当病院の実際を御紹介して,この問題を各位と共に考えてみたいと思う。
約3年前,仙台眼科集談会の帰りに,前任医長板橋博士と汽車に乗りビールを乾しながら歓談している中に,同博士は「何の仕事でも3年経つたら反省しなければならない」と忠告して下さつた。その時は深く考えてもみなかつたが,自分も当病院に赴任以来,早くも3年を過ぎ5年目に足を入れたわけであるので,内心落着かないものがあつた。それで2〜3の本を調べている中に弱視学級設置の必要性が目に止つた。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.