臨床実験
硝子体の細隙灯顕微鏡的所見—第一編 前部健常硝子体
陳 昆暁
1
1台湾呉基福眼科研究所
pp.1403-1418
発行日 1955年12月15日
Published Date 1955/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202397
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第1章 緒論
1911年Alver Gullstrand氏がNernst灯を用いて生体に於て硝子体の正常及び病的状態を検査し,硝子体の種々の深さに於て数層の膜を見る事が出来,又これらの膜が網構造を形成して常に前額面の方向に拡がるといい1914年Erggelet氏は更にこれを研究して硝子体は釘にかけられた布の如く平行なる皺襞を有する膜状を呈するものであるといつた。その後Redslob.Koby.Vogt.Bedell,Koeppe, Meesman.日本に於ては1938年河本正一,1941年落合文平,1950年下田重正,1950年山根浩諸氏の尊敬すべぎ業蹟が発表された。併し乍ら健常硝子体の細隙灯顕微鏡的所見に関する報告は僅かに河本及び下田両氏のみで,而も一方は散瞳状態,一方は無散瞳状態且限られた年令に於ける検査でその成績も区々である。
著者は藪に於て前部硝子体の細隙灯顕微鏡観察を行い次の如き成績を得たので之を報告する次第である。
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