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綜説
Aqueous Veinの研究—第3篇 諸種藥剤の房水静脈に及ぼす影響について
The stadies of Aqueous Vein
呉 基福
pp.1189-1194
発行日 1955年10月15日
Published Date 1955/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202344
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緒言
房水静脈は解剖学的に普通の静毛細血管と異なる所がない。静毛細血管は単層の内皮細胞によつて組成され平滑筋を有しない管腔であつてそれには收縮細胞(Rougetzellen)がなく其の機能的変化は大体動毛細血管によつて支配されたpassive的のものである。しかし静毛細血管はそれ自身の壁性tonusを有しており,これによつて軽度であるが收縮する。高濃度のeserine,acetylcholine,cocaineは静毛細血管壁に直接作用して收縮させ透過性を阻害し,dionine,histamineはやはり,血管壁に直接作用して此れを拡張させ,透過性を増進させるものである。此様に静毛細血管は動毛細血管の様に直接的にVasomotorenの支配を受けていない様であるが静毛細血管の壁性tonusは動毛細血管を支配している。Vasomotorenと反射的のつながりがある様である。しかし確実なる証明はない。(此等の諸問題については拙著臨眼,5巻,10号に詳論しているから参照されたい。)此の静毛細血管と同じ構造と機能を有している房水静脈は諸種藥剤の作用に対してどういう風に影響されるかが本論文の研究内容である。
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