臨床実験
視束乳頭比色に関する臨床的検眼鏡的研究(第3報)—正常人眼藥物負荷試験に就いて
林 誠
1
1慈大眼科
pp.917-922
発行日 1955年6月15日
Published Date 1955/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202258
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生体に種々の自律神経剤を投与した際に全身血管の変状と共に,眼に於ても種々の影響を来すことは当然考えられることであり,事実担当の新知見が発表されている。即ち網膜血管径の変動については教室の飯塚氏,新潟医大三国教授一門により,網膜中心動脈血圧の変動に就いては慶大植村教授一門により,網膜黄斑部毛細管血圧の変動に就いては教室の宮崎氏及びその他の人々により,虹彩動脈血圧の変動に就いては教室の大木氏により,結膜及び前毛様体血管径の変動については教室の伊藤清氏により前毛様体血管及び網膜血管血圧並びに房水流の変動に就いては教室の大橋教授及堀田助教授により報告されて居り,その他種々の報告がある。
然るにこれら藥物を投与した際,視束乳頭及眼底地肌の色調にも当然変化が生ずると思われるにも拘らず,視束乳頭及眼底地肌を比色したという文献は未だ見当らないのである。そこで私はこれらの種々の藥物を皮下,球後及び結膜下に注射して視束乳頭比色を行い,いささか興味ある知見を得たので,眼底機能の計測的診断法として,臨床的応用を期するために,こゝに報告する次第である。
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