欧米旅行記
主要国眼科学会と日眼との連絡
中村 康
1
1日本医科大学
pp.856-860
発行日 1955年5月15日
Published Date 1955/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202241
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此は欧米各国の眼科学会の長を訪ね日本眼科学会のメツセーヂを置いて今後の交際を儀礼的に依頼して来ればよいのでありますが,其ではあまり印象が彼等に残らないので私は私の30年の研究の材料をスライド500枚程にして各大学を訪ねた折求めに応じて学問の交流を課題として色々日本の眼科学研究の模様を述べる計画をたてたのであります。其の結果がどうであつたかは解りませんが,良かれ悪しかれ私と話し合つた人々には何か印象された事と思います。米国,カナダは国際眼科学会で多忙の折柄其うした機会に惠まれませんでした。纔かにサンフランシスコでタイゲツソン氏とトラコーマの研究で数時間互に標本を出して話し合うことが出来たゞけでありました。米国及カナダは国際眼科学会で色々の委員会に出席しましたので個々に連絡がとれたように思います。此タイゲツソン氏との対談の為めか現トラコーマ委員々長ビエヅテイ氏(伊)其他のトラコーマ研究者が私の処を訪ねて今後の研究の交換を求めて来る結果を得たのであります。カナダでは眼科学会長マーシヤル博士の晩餐会に招待を受けカナダ眼科学会の人々と親しく交り米国は国際眼科学会長ラムジー氏,副会長ダニングトル氏,事務総長ベネヂクト氏と語り副会長ラムヂー氏の招待を受けてカクテルパーテイに各国の代表者と打ちとけて話をする機会を得,此折,ブラジル,チリー,スペイン等の代表者と親しくなり互の眼科機関雑誌の交換を約束致しました。
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