臨床実験
緑内障の眼圧日差に就いて
須田 經宇
1
,
緖方 鍾
1
,
池辺 五十雄
1
1熊大眼科
pp.829-835
発行日 1955年5月15日
Published Date 1955/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202234
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眼圧は例え健常眼に於ても1日24時間中con-stantなものではなく,多少なりとも動揺することは周知のことで,之を眼圧日差Tagesschwan-kung des intraokulares Druckes, Diurnal variationof intraocular pressureと言う。斯る眼圧日差は健常眼よりも病的眼即ち眼圧の高い緑内障眼は勿論,眼圧の低い低圧眼の方でも大きな価を示すものであるが1),日差がどの位の価を越せば病的か,この問題を解くには正常眼圧眼と,病的眼圧眼の日差を検討比較すれば良い。抑々健眼の日差の価は如何,Hagen3),Thiel4),Sugar5),Mass-lennikoff6)等は2.0〜3.0mmHgであると言い,Feigenbaum7),Duke-Elder8),Lohlein9),Rohr-schneider10)等は5.0mmHg以上を病的だとし,Gradle11)は正常眼でも稀には6mmHg以上のことがあると云い,von Sallmann12)等は健眼の眼圧日差は10mmHgまでであると述べ,Matteucci13)も正常の眼圧日差は約10mmHgであると言う。私共は之に就いて検討するまでには未だ材料が集つていないので今回は之には触れない。他方緑内障の眼圧日差に就いてはその曲線の型は論じられているが14)16),日差の程度に就いては余り検討されていないようである。
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