Japanese
English
臨床実験
廣範圍の進行性鞏膜潰瘍の1例,特にその原因的考察に就て
A Case of Diffusive Progressive Sclera Ulcer
稻用 穰四郞
1
1熊大眼科
pp.1002-1005
発行日 1954年10月15日
Published Date 1954/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201997
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一般に鞏膜潰瘍を診る機会は少い。之は鞏膜が眼膜の中で最も強靱で抵抗が強く,又血管や淋巴管に乏しいからだと言われている。その原因には,外傷や眼手術によるもの,化膿性鞏膜炎の自潰したもの,巨大フリクテンの下層に進行したもの,結核性(上)鞏膜炎・鞏膜ゴム腫の自潰したもの,稀には馬鼻疸菌による結膜潰瘍の鞏膜への進行したもの等が挙げられている。その他,最近ではScleromalaciaの報告がある。
次に述べる一例は,比較的短時日の中に広範囲に進行した鞏膜潰瘍で,検査不備の為に遂にその原因を断定することが出来なかつたが,臨床上興味ある点もあり,検査不備の範囲で出来るだけその原因を考察してみたので報告する。
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