--------------------
舌根扁桃腺周圍膿瘍の2例に就て
吉尾 克巳
1
1吉尾耳鼻咽喉科
pp.215-217
発行日 1948年11月1日
Published Date 1948/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200098
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
余は最近舌根扁桃腺周圍膿瘍の2例に遭遇し、其の中1例は頣下部切開、1例は口腔内切開により排膿を計り全治せしむる事を得たので、茲に報告し諸賢の御批判を仰ぐ次第である。
抑々本疾患は文献に徴するに甚だ稀有なるものとせられ、明に舌根扁桃腺周圍膿瘍の診斷の下に報告せられて居るものは實に寥々たるものである。是はルードウイヒ氏アンギーナと混同せられし爲か、將又口腔底蜂窠織炎なる名稱の下に多くは外科醫により處置せられし爲か、或は事實此の疾患の稀有なる爲か、其の眞因は容易に此處に捕捉する事は困難であるが、舌根扁桃腺周圍膿瘍は稀有なる獨立せる一疾患である事に疑ふ餘地はない。
Copyright © 1948, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.