特集 第7回臨床眼科学會
普通講演
(9)ラクリレンズ(コンタクトレンズ)を1年間装用してみた私の經驗
高野 安雄
1
1東京遞信病院眼科
pp.145-150
発行日 1954年2月15日
Published Date 1954/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201745
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
コンタクトレンズは圓錐角膜,不正亂視,眼瞼外反その他の眼疾患に視力増進或は角膜保護の目的で,また眼内異物のX線診斷や前房隅角その他の諸検査時の補助器として,更に屈折異常の矯正に眼鏡に代つて使用されるほか,運動選手・飛行家・船員・藝能人等が職業上或は美容上の必要から同じく眼鏡の代用として用いるなど其の適用範圍は極めて廣い。その上一般に屈折異常の矯正法としては種々の光學上の長所をもつコンタクトレンズを以てするのが,理論的に理想に近い方法であることは最早周知になつている。
しかしながらDuke-Elderが言つている如く,現在の段階において解決すべく殘された問題のうち最も重要なことは,そのBapticsの點にあると思う。即ち患者の角膜及び主として鞏膜とよく接着適合して,何等の苦痛や副作用なしに連續して長時間の装着に耐え得ること,換言すればTol-eranceの出來るだけ高いコンタクトレンズを設計製作する技術上の諸問題であろう。
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.