特集 第7回臨床眼科学會
普通講演
(8)コンタクトレンズのデザインについて
曲谷 久雄
1
1順天堂大學眼科
pp.139-143
発行日 1954年2月15日
Published Date 1954/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201744
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コンタクトレンズのデザインは角膜レンズと角鞏膜レンズ,或はグラスレンズとラクリレンズとでそれぞれ異なる。すなわちレンズの型によつても又構造によつても異なるが何れにしてもデザインには光學的理論に基づいた復雑な計算を要し處方が繁雑であつた。最近コンタクトレンズがプラスチツクで作られるようになつてから其の發展はとみに盛んとなつたがなお處方に際してのデザインのわずらわしさが殘つていた爲,凡ての眼科醫が處方するには程遠い状態であつた。著者はかねてからコンタクトレンズの研究を行うに當つて計算を簡易にする必要を感じていた。幸いにも矢崎敦生氏の協力を得てコンタクトレンズの光學的理論を究明し新らたな考察の下にレンズの公式を算出し,これを基礎として處方に極めて便利な計算圖表の作製に成功した。
一般にコンタクトレンズのデザインにはレンズの後面の曲率半徑R2(mm)が條件づけられている場合とR2が自由に與えられる場合とがある。この2つの方法を別の言葉で云えばトライアルセツトのコンタクトレンズを使つて測定處方する場合が後面の曲率半徑R2を測定するのであつて,トライアルセツトを使わずに患者の屈折状態と角膜前面曲率半經γc (mm)とからコンタクトレンズを處方する場含がR2を規定しないケースということになる。從つて前者の方法ではグラスレンズ,後者の方法ではラクリレンズが出來るわけである。
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