臨床實驗
高張葡萄糖液の頸動脈内注射が眼壓脈波に及ぼす影響
原 淸
1
,
野地 道彦
1
,
鈴木 一三九
1
1大阪大學眼科
pp.401-402
発行日 1953年5月15日
Published Date 1953/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201496
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瀨尾・中山両氏の提唱による動脈性衝撃注射療法は,眼科領域の諸疾患に對しても用いられ,その有效なることが認められている。眼科的には主として高張葡萄糖液が使用せられているが,此の動注に際して内頸動脈の未梢である眼内血管系にかなり強度の機能的影響を與えているであろうことは想像に難くない。
従來,眼科領域に於ける眼内血管の變化を研究する手段としては,網膜中心血管徑を計測し,又その血壓を検査する方法が主であつた。然し吾々は幸にして眼壓脈波を掴え,これを分析して眼内血管系の變化を動的に研究する方法を得ているので,それを用いて動注によつて惹起されるであろう眼内血管系の變化を時間的經過を追つて掴えて,どの様な反應の系列で起つているものであるかを知ろうとした。即ち高張葡萄糖液を頸動脈内に注射した場合の眼壓脈波の變化を撮影し,これより考えられる眼内血管系の反應状態及びこれに伴う眼壓變動に就き實驗したので此處に報告する。
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