臨床實驗
コーチソン及びクロロマイセチンによる交感性眼炎治驗例
木村 隆夫
1
1京都大學眼科
pp.403-405
発行日 1953年5月15日
Published Date 1953/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201497
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交感性眼炎の原因並びに治療に就ては,古來種種研究されたのであるが,最近の外國文献によると,Haik氏等は58人の著名眼科醫にアンケートを送り,29人の協力者を得て更に従來の文献上の例,及び自らの經驗を加え,72例の交感性眼炎患者に對するコーチソン及びコルチコトロピンによる治療に就て詳述し,交感性眼炎に對してコーチソン及びコルチコトロピンが一つの新治療として期待すべきであると述べている。
又今春京都眼科學會で,山本博士のコーチンによる治驗例の發表があつた。其の他新大三國教授等はクロロマイセチン内服による交感性眼炎治驗例を述べ,交感性眼炎はリッツケッチア又は之に近いビールスに依て發現するというEugen Sch-reckの説に賛同して居られる。私は最近自ら執刀せる白内障患者が,辨状白内障摘出術後8週間で交感性眼炎を惹起し,コーチソンの筋肉内注射により驚くべき效果を見,之が3ヶ月後に小再發を起し更にクロロマイセチン内服に依て治癒せしめた1例を經驗致しましたので,茲に報告いたします。
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