臨床實驗
縮瞳藥の眼壓下降作用に及ぼすルチンの影響—緑内障眼壓に及ぼす臨床實驗的研究
吉岡 久春
1
1長崎大學眼科
pp.965-968
発行日 1953年11月15日
Published Date 1953/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201663
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フラボン屬に屬するある種のGlucosidはSze-nt-Gyorgi及び其の協同者が最初に發見したもので,彼等はレモンより抽出して,之れにCitrinと命名した。Citrinは其の後の研究によれば,ビタミンPと同一物である事がわかり,最近は蕎麦から得た同一物ルチンなる物質もある。之等のものは,毛細血管の透過性及び脆弱性に一定の影響を與えるものとして現在盛んに用いられている。
此のルチンは1944年ペンシルバニア大學のGri-ffith等に依り始めて臨床的に應用され,それが高血壓症患者の毛細血管脆弱性を回復させる事を發表し,其の後多くの人により追試研究され,毛細血管脆弱に基く諸疾患の治療及び豫防に賞用されている。眼科的には,網膜出血,若年性反覆網膜硝子體出血,脈絡膜出血,鞏膜炎等に應用されている。
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