特集 第6回日本臨床眼科学会講演集(普通講演)
(38)いわゆる菅沼氏多發小結節性眼球結膜炎について
靑木 平八
1
1群馬大學醫學部
pp.161-171
発行日 1953年2月15日
Published Date 1953/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201427
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昭和13年7月の東京眼科集談會において菅沼教授2)は,未だ文献に記載のない「眼球結膜に多發する一種特異の結節」の2例を報告した。私3)も昭和9年菅沼教授の述べたものと同一疾患と思われる2例を經驗していたので,同年9月次回の同集談會でこれを發表した。菅沼教授5)は同年再び第3例を報告,これに對して鹿野6)により1例が追加されたが,昭和15年中島教授4)はその2例を報告すると共に,本症に菅沼氏多發小結節性眼球結膜炎Conjunctivitis bulbi multinodularisSuganumaと命名すべきことを提唱した。その後田中7),淸家8),片山9),土田10),早野11),和田13)等の追加報告があり,現在に至るまで文献に留められたもの合計14例に及んでいるが,本症は從來ほとんど注目されなかつた疾患で未だに多くの疑問が殘されている。
私は前記の追加例の他,最近約2箇年間に本症の8例を觀察した結果2,3の新知見を得たので,從來の文献を總括すると共にその大要を報告し,諸賢の追加と批判を仰ぎたいと思う。(先に追加報告した2例の記録は戰時中紛失し,原著として發表できないことを遺憾とする)。
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