臨床實驗
頸部迷走神經諸手術の眼に及ぼす影響(第1報),他
板倉 敏男
1
1倉敷中央病院
pp.49-59
発行日 1953年1月15日
Published Date 1953/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201401
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緒言
私は曩に,頸部交感神經諸手術の眼に及ぼす影響,(以下,頸交の論文と略記)と題し,家兎實驗により,頸部交感神經中には副交感神經性の緊張を支配する特殊の求心性の神經纖維が混在し,この神經纖維は眼より交感神經内を逆行し,交感神經上頸篩を經,諸吻合枝を介して頸部迷走神經内に入り,之を上行し延髄の迷走神經背側核(頸交の論文に知覺核とあるのは背側核の誤り)に至る經路をもつことを確認し,この神經を知覺性交感神經と假稱して報告した。
扨て,今回は頸部迷走神經を,特に上述の知覺性交感神經纖維の多數混入してくる上喉頭神經を中心とする頸部交感神經との強い吻合部位よりも,下部乃至上部で夫々一側を切斷し,術後に現われる兩耳の温度差,瞳孔及び屈折の變動,散縮瞳藥の瞳孔に及ぼす影響に就て,約2ヵ月に亙り比較觀察した。
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