特集 眼科臨床の進歩Ⅰ
Fusion frequencyの測定方法による變動の解析並びに閾値の処理に就て
神谷 貞義
1
,
山本 純恭
1
1奈良醫大
pp.839-848
発行日 1952年11月15日
Published Date 1952/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201312
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從來視機能の検査と云えば試視力表による検査が主であつたが,最近Fusion frequencyを測諸定した場合に診斷上重要な手掛りが得られる事が諸家の業績によつて明にされて,我が國でも,その方面の研究に注意が拂われる樣になつて來た。然し,この測定を眞に診斷上に役立つ樣にするためには,今日尚多くの基礎的な諸問題が未解決のまゝ殘されていて,その診斷的價値が充分に認められず,それが從來のものに比し勝れたものであるにも拘らず一般に普及しないのは殘念に耐えない。
そこで一應,網膜の調應状態を一定にしてFu-sion frequencyに影響を與える諸要因を除いても,而も尚その測定に變動を與える要因を分析して,最も妥當だと思われる測定方法を定め,その上で測定した閾値を如何に処理すれば疾病の有無を診斷し得るかと云う問題に就て本報では述べたい。
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