臨床實驗
Fusion frequencyの閾値の臨床的處理に關する改良
神谷 貞義
1
,
山本 純恭
1
1奈良醫科大學眼科
pp.1015-1016
発行日 1953年12月15日
Published Date 1953/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201680
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我々はさきに"Fusion frequencyの測定方法による變動の解析並びに閾値の處理について(臨床眼科6巻11號—特集號—)と題して,Criticalfusion frequencyと稱せられるものの閾値としての性格を明らかにし,閾値に變動を與える要因を實驗計畫法に從つて分析し,安定度の高い條件附閾値としてfusionの状態から頻度を下げつゝ求めた限界値を採用するがよいことを示した。又c.f.値は個體差變動が大きいものであるが,その變動は正常人については正規分布によく適合することを知つたので,これ等の結果を用いて,特定の被検者について同一條件で測定したc.f.値が正常であると見做し得るかどうかを判定するための限界を網膜上の種々の部位について作成し,又特に數個の部位を同時に見て全體として正常かどうかを判定する方法を提供した。これ等の方法は装置の如何を問わず一般的ではあるが,特に我々の装置を用いて得たデータに基いて行つた臨床例を若干附記したのである。
その際個々の測定部位についての葉却の限界としてx±δα(神谷,山本loc. cit. PP 845〜846)を用いたのであるが,視機能の低下を診斷する一つの手段としてc.f.値を利用する立場に立てば,一層効率の高い限界に置き換え得るので,こゝに改良點を追加する。
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