私の經驗
トラコーマ豫防運動報告書
三田 弘
pp.425-427
発行日 1952年5月15日
Published Date 1952/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201173
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近頃結核,蛔虫等の問題が著しく世の關心を集めて居る半面,眼科的疾患に就てはむしろ漸時沈下して來た樣である。從つて賣藥の需要が増し,トラコーマの罹患率が上昇して來たものと思われる。眼科醫が社會に融けこんで啓蒙することを忘れたことや,徴兵検査と云うトラコーマ教育の好機會が消滅したことなどが主な原因である。吾々は學校や保健所や其の他あらゆる機を掴んで積極的に此の啓蒙運動を展開して眼科知識を普及しなければならない。之は眼科醫の單なる犠牲ではなく,むしろ終局的の利益となつて還元されることで,毎年の眼の愛護デーの如きも其のチャンスである。今回埼玉縣教育委員會で實施したトラコーマ豫防教育實踐強調運動は眼の愛護デー行事の一環として,埼玉縣眼科醫會の全面的協力を得て行われたものであるから其の概略を報告する。
先ず本運動の全貌を説明する代りに縣の通牒を全文掲げよう。
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